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作品紹介
 アドルム中毒の入院治療から目覚めた安吾が、伊東に引っ越して最初に書いたユニークな短篇。全篇ファルスの語り口で、元気ハツラツとしている。かなづかいもこの作品あたりから心機一転、新かなに切り換えた。

 総枚数わずか66枚の構成は型破りで、初めの3分の1は伊東人カタギの紹介に費やされる。
 漁師町では名士や富豪など敬われず漁での戦績だけが評価される、といったエピソードをあたたかい目で綴り、新日本地理・風土記のさきがけとなっている。
 中間部でようやく肝臓先生こと赤城風雨の事績紹介になる。モデルは安吾の診察もした天城診療所の佐藤十雨。

 ラスト3分の1、ドラマはおもむろに動きだす。軍部や役人の圧力に屈することなく、真実を貫いて逝った町医者の生きざまに安吾の共感がにじむ。
「真理を知るものは常に孤絶して、イバラの道を歩かねばならないのだ」
 空襲警報の中、病人のもとへ馳せ向かい、海に果てる場面には迫力がみなぎっている。ここにファルスはない。そして、「雨ニモマケズ」をもじった激越な詩碑。
 安吾はもう一人のグスコーブドリを生み出したかったのだ。

 今村昌平監督の映画「カンゾー先生」は、同時期の短篇「行雲流水」の肉感的なヒロインをとりこみ、印象はまるで別種の、猥雑で混沌とした今村ワールドになっている。軍部批判も極端で、安吾の嫌いなイデオロギッシュな一面を覗かせていた。
 
(七北数人)
 
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