坂口安吾がアテネ・フランセの仲間と作った、同人誌『青い馬』に発表された「風博士」(昭和6年)は、牧野信一の絶賛を浴び文壇デビューとなりました。安吾25歳の時です。また、戦後の混迷した時期に書かれた「堕落論」(昭和21年)は、そのあとの『白痴』とともに社会に衝撃を与え、安吾は一躍流行作家となりました。このように「風博士」と「堕落論」は、坂口安吾にとって重要な意味をもつ作品ですが、それらが発表された昭和初期と戦後という時期は、日本の文壇においても大きな転換期であったといえます。
このたびの展覧会では、「風博士」と「堕落論」の作品を中心に、それぞれが発表された時代背景を紹介することで、安吾文学を考えてみたいと思います。
期間
平成28年4月2日(土)から平成28年7月18日(月・祝日)
午前9時から午後5時まで
会場
旧市長公舎「安吾 風の館」(新潟市中央区西大畑町5927番地9)
主な展示作品
■ 坂口安吾自筆原稿(複製)
「愛染録」、「僕一人に就て-愉快なる殺人戯画-」、「白痴」
■ 初出誌 『青い馬』、『新潮』、『月刊にひがた』、『文芸季刊』(新潟市立図書館所蔵)
■ 初版本 『風博士』、『堕落論』、『白痴』等
■ 「堕落論」広告ポスター
■ 批評、推薦文 等 ほか