「ふるさとは 語ることなし」という詩碑をはじめ、数多くの自伝的小説などから、安吾はふるさとを、新潟をどう思っていたのだろうか、と考える人は多いと思います。安吾作品の中で「ふるさと」という言葉は、単に生まれ育った場所を示すだけでなく、いろいろな意味をこめて使われています。
16歳で東京の中学へ転校することとなり、その間に生まれ育った家もなくなってしまったことが、安吾に「ふるさと」を特別な言葉として意識させたのかもしれません。
このたびの展覧会で、坂口安吾の作品や言葉の中から「ふるさと」をどう捉え、感じていたのか、また安吾にとってどのような存在であったのかを考えます。
期間
平成28年12月3日(土)から平成29年3月20日(月・祝日)
午前9時から午後5時まで
会場
旧市長公舎「安吾 風の館」(新潟市中央区西大畑町5927番地9)
主な展示作品
■ 坂口安吾自筆原稿 「街はふるさと」作者の言葉(草稿)
■ 即興誌 「海へ行く道」、「北風が吹く」
■ 坂口安吾 三堀謙二宛書簡 個人蔵
■ 著書
「ふるさと寄する賛歌」 『青い馬』創刊号
「文学のふるさと」 『現代文学』第4巻第6号
「日本文化私観」 『現代文学』第5巻第3号
『爐邊夜話集』 スタイル社編集部 新潟市立中央図書館所蔵 ほか
■ 写真 濱谷浩撮影「作家故郷へ行く」より「県庁横朝市」 ほか