安吾の万年筆はペリカンのブルーブラックインキで、鉛筆は少し柔らかなトンボの2Bでした。日本犬より洋犬、なかでもコリーが好きで、川端康成氏より世話をしてもらった犬に、フランスの音楽家ジャン・フリップ・ラモーから”ラモー”という名をつけ、室内で飼っていました。
学生の頃からスポーツ好きで、囲碁好き。囲碁は2段の腕前で、文壇仲間の囲碁会に参加し、呉清源とも対局しています。切支丹を調べることから歴史に興味をもち、日本古代史の解明やその土地土地の歴史文化にも深い関心を寄せていました。
「文学は生きること」「生きるためのもの」といっていた安吾は、純文学、評論・エッセイ、探偵小説、歴史小説、説話物語、ルポルタージュと多くのジャンルに代表作があります。安吾文学については、全集の推薦文や没後の安吾評などで友人や評論家が解説しています。
このたびは安吾が気に入っていたもの、大切にしていたものを通して、人間 坂口安吾と安吾文学を考えます。
期間
平成27年12月5日(土)から平成28年3月21日(月・祝日)
午前9時から午後5時まで
会場
旧市長公舎「安吾 風の館」(新潟市中央区西大畑町5927番地9)
おもな展示作品
■ 自筆原稿「勝負師」(複製)
■ 坂口安吾専用原稿用紙
■ 鉛筆、万年筆、鉛筆削り、拡大鏡
■ 碁盤・碁石
■ ライター、パイプ
■ 初版本・初出誌
■ 蔵書 ラクロ『危険な関係』、アガサ・クリスティー『ABC殺人事件』、 ヴァン・ダイン『ベイスン殺人事件』、古代史関係資料 など
■ 尾﨑士郎の公職追放仮指定に対する異議申し立て
■ 川端康成 弔辞
■ 推薦文・安吾評 等 約80点