坂口安吾は「少年期にはスポーツに熱中していたので、小説なぞには興味がなく、立川文庫のほかにはスポーツ関係の読書が主であった」(「世に出るまで」1955年)と言い、技術面の指針を求めて外国のスポーツ本や雑誌を読んでいたと言われています。子どもの頃から泳ぎは得意で、中学時代は柔道、陸上競技に取り組み、走り高跳びでは全国中学校陸上競技大会で優勝しています。
文壇野球チームのメンバーとして活躍し、桐生ではゴルフを習い、妻三千代と興じました。陸上、テニス、野球、ボクシングなどさまざまな競技を見に出かけ、観戦記も書いています。また相撲では三根山をひいきにして、一緒に酒を飲むほどの仲でした。
自ら天分があるというスポーツマンとしての姿と、安吾のスポーツ観を作品と遺品資料から紹介します。
期間
平成26年12月11日(木)から平成27年3月22日(日)まで
午前9時から午後5時
会場
旧市長公舎「安吾 風の館」(新潟市中央区西大畑町5927番地9)
主な展示作品
●坂口安吾自筆原稿(未定稿)「工員ゴルフ」
●豊山中学時代のメダル
●ゴルフスコアカード、会員証
●スイング計測器付バット
●観戦チケット
●相撲番付表
●坂口安吾宛書簡 大井広介、細川忠雄、岩田豊雄
●初出誌
「安吾巷団その10 世界新記録病」(『文藝春秋』1950年)(新潟市中央図書館所蔵)
「世紀の死闘」(『オール読物』1952年)(新潟市中央図書館所蔵)
「スポーツ、文学、政治」(『近代文学』1949年)
●「明日は天気になれ」(『西日本新聞』1953年切り抜き)
●写真、新聞記事 等 約40点