9月3日から9月16日まで、旧市長公舎「安吾 風の館」は臨時休館しています。詳細はこちらから
取材旅行を紹介する「旅」シリーズの第7回
1955 年1 月坂口安吾は「安吾新日本風土記」の取材のため、古くから製薬、売薬で知られる富山市と新潟県西蒲原郡角田浜(現:新潟市西蒲区角田)を訪れている。
江戸時代よりいずれも重要な産業としての役割を担い、行李を担いで行商するという形態だが、富山は配置薬として男性が、新潟は「越後の毒消し」として絣の着物を着た女性が担うというように特徴がある。
「富山の薬と越後の毒消し」では、それぞれの製薬、売薬の歴史にふれ、現状を紹介している。
地方の文化や産業と、そこに暮らす人々の暮らしを見直そうという意欲あふれる「安吾新日本風土記」も、2 月17 日安吾の急逝で連載は2 回で中絶してしまう。この後日本は経済成長を遂げ、地方の様相も大きく変わっていくので、当時の取材記録は貴重な歴史資料、産業史料でもある。
安吾の視点から、独特な行商の仕組みとその記録を紹介したい。
期間
令和3年9月17日(金)から令和3年12月19日(日)まで
午前10時から午後4時まで
会場
旧市長公舎 安吾 風の館(新潟市中央区西大畑町5927番地9)
休館日:毎週月曜日・火曜日
観覧料
無料
おもな展示作品
■1954 年版文芸手帳 富山取材メモ
■1955 年版講談社手帳 毒消し取材メモ
■称名寺施薬院縁起
■『中央公論』 1955 年1 月号、3 月号、4 月号 新潟市立中央図書館 所蔵
■『小説新潮』 1955 年2 月号 新潟市立中央図書館 所蔵
■中村正也撮影 取材時写真 ほか