去る10月20日(水)、新潟市中央区において坂口安吾生誕祭115が開催されました。
天候不良のため、第1部の「安吾のふるさとまち歩き」は旧市長公舎「安吾 風の館」の中で”バーチャルまち歩き”という形の代替実施となりました。事前に撮影・編集された動画を見ながら、坂口綱男氏(写真家・坂口安吾長男)よりゆかりの地の案内をしていただきました。
第2部・第3部は会場をりゅーとぴあ能楽堂に移し、坂口綱男氏による講演「安吾のいる風景」と研究者の方などによる鼎談「誰も知らなかった安吾‐未発表小説のなぞ」が行われました。
講演「安吾のいる風景」では、まさに息子から見た安吾について、写真や映像を交えながら約50分間お話しいただきました。
鼎談「誰も知らなかった安吾-未発表小説のなぞ」は、未発表小説発見の経緯にはじまり、「未発表小説のなぞ」、そして安吾研究における今回の発見の意義という流れで進められました。約90分間途切れることなく、各出演者がそれぞれの視点からご発言いただき非常に内容の濃いものとなりました。
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実施概要
【第1部】「安吾 風の館」見学と「安吾のふるさとまち歩き」
(1)日 時:令和3年10月20日(水)午前10時~11時半
(2)集合場所:旧市長公舎「安吾 風の館」
(3)参加者数:13名
(4)内 容:①「安吾 風の館」見学 ②ゆかりの地のまち歩き(天候不良のため、事前に撮影・編集した動画を用いて、ゆかりの地の解説を行った)
(5)案 内 人:坂口 綱男氏(写真家・坂口安吾長男)
【第2部・第3部】
講演「安吾のいる風景」
鼎談「誰も知らなかった安吾‐未発表小説のなぞ」
(1)日 時:令和3年10月20日(水)午後1時半~4時20分
(2)会 場:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 能楽堂
(3)来場者数:102名(出演者・スタッフ22名含む)
(4)出 演 者:
講演 坂口 綱男氏
鼎談 浅子 逸男氏(花園大学名誉教授)
七北 数人氏(文芸評論家、作家)
梨本 諦鳴氏(映像作家、演出家)
(進行 永田実行委員会事務局長)
(5)内 容:
講演「安吾のいる風景」
・息子から見た安吾について
・安吾ゆかりの地 ほか
鼎談「誰も知らなかった安吾-未発表小説のなぞ」
①未発表小説発見の経緯について
・真筆と断定した根拠
・「残酷な遊戯」命名の由来
②「未発表小説のなぞ」
・なぜ未発表となったのか、なぜ未完なのか
・書かれた時期、場所は
・戦後発表された野心作「花妖」の原型なのか
・安吾と古典文学のつながり
・鬼熊事件に対する安吾の関心や言及
・雪子の系譜=なぜヒロインの名が「雪子」なのか
・安吾にとっての「魔性の女」とは
③安吾研究における未発表小説発見の意義