安吾の取材旅行とその作品を紹介するシリーズ「旅」、その第5回目は宮城県各地を訪れた「安吾の新日本地理 仙台の巻」をとりあげます。
『文藝春秋』に1951 年3月から12月まで10回連載され、仙台への旅はその3回目として掲載されました。旅行中には地元新聞から取材をうけ、また作品中で、仙台開府の祖英雄伊達政宗を「田舎豪傑」と書いた安吾へ、批判の投書が寄せられるなど、反響も大きかった作品です。
安吾は「今度の地理でウンと力を入れたいのは、その土地土地をみて、どうやって歴史が現代に生きているのかをみることさ」と編集者に語ったとされますが、戦後復興の時期に、各地がどのように変わっていくのかに着目していたのでしょう。
2011 年3.11 東日本大震災から7年、ようやく復興復旧に道筋が見えはじめた今、伊達政宗の切り開いた東北仙台の歴史と未来に想いを馳せていただけたらと思います。
期間
平成30年8月4日(土)から平成30年11月25日(日)
午前10時から午後4時まで
会場
旧市長公舎 安吾 風の館(新潟市中央区西大畑町5927番地9)
主な展示作品
坂口安吾 仙台取材メモ 2枚
取材資料 観光パンフレット、地図、冊子等
坂口安吾蔵書
・伊達政宗卿 藩祖伊達政宗公三百年祭協賛会編 1935 年
・仙台の歴史 仙台市史編纂委員会編 1949 年
・仙臺叢書 封内風土記(一)~(五) 1893 年 仙臺叢書出版協会
・日本切支丹宗門史 レオン・パジェス著 1938 ~ 40 年 岩波書店
・鯨族開国論 桑田透一著 1940 年 書物展望社
河北新報ほか新聞記事
取材写真(1951 年) ほか